2018年01月18日

【#本日の一枚】The Lower Depth / Charlemagne Palestine

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ミニマル・ミュージックといえばライヒやテリー・ライリー、ラモンテヤングとかグラスあたりが有名だが、60-70年代のミニマル黎明期を支えたもう1人の巨匠がいる。シャルルマーニュ・パレスティン。
1974年にリリースされた、残響ペダルを踏みっぱなしでピアノをかき鳴らす「Strumming Music」はミニマル音楽の名盤とも評され独特な方向でこの音楽をもり立てた。

そんな彼のピアノによるミニマル音楽の未発表音源集がこのThe Lower Depth。
前述のアルバムをリリースした同時期、その少し後である1977年の3日間に及ぶレコーディング。
ただひたすらにトレモロが残響と合わさり"膨大な"音空間を生成する。

ミニマル・ミュージックの魅力は、「少しずつ少しずつ有機的に変容していく音楽によって気づかないうちに無限に広がる音地獄に叩き落とされているところ」にあると思う。
最初は「よくまぁこんなトレモロ強打音やって腕もつなぁ」なんてくだらないことを思ってたが、音が増え和音が変わり気づかぬうちにこの瞑想状態に叩き落とされていた。
ピアノでここまでできるのかと身震いすら起こる。

ふとDIYドローンなんて言葉が浮かぶ。
ただひたすらにピアノの連打音と残響だけで構成されるというミニマルさと、出来上がった音壁の厚さ。恍惚の1時間×3を産んでいるとは俄かに信じがたい。
posted by Lobgesang / Blog at 09:12| 神奈川 ☁| レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする