2018年06月10日

DressUp, Suite for Piano


DressUp, Suite for Piano

Overture (“Ego:Egg_Reprise”)
Prelude
1st Mov. Honey
2nd Mov. Sugar,Scherzo
3rd Mov. mi tumi tu, Elegie
4th Mov. Chimaera-Jinta,Finale
Postlude


3月のフココレ用に作曲した組曲です。
フココレは過去3回中、第1,3回を担当しました。
第4回である今回の組曲は、第1回の総括して創った「Walkure!」で完結した「果実の子供達」とは全く違うアプローチとテイストで組み上げた組曲です。

にしうりすいかの二篇の詩を付したPrelude、Postlude、
差異等たかひ子が編む「mi tumi tu」に付した主要部から成るポエトリーリーディング用楽曲。

本作はポエトリーリーディング用の楽曲ではあるのですが朗読と音楽がお互い時間軸を支配し合う構成で、ビートの排斥も取り入れた手法を採用しました。
第1楽章の主要主題「HCAFDCH」と、第2楽章の主要主題「E♭DCHEFE♭D」が全曲の第1主題・第2主題の役割を担い、本作の前日譚「Ego:Egg」の基本主題を共通主題にすることで、全曲で一つのソナタ的な統一性を持たせました。

また公演ではLive Electronicaを採用し、導入にOvertureを付しました。
この曲は「Ego:Egg」をサンプリングした楽曲です。


今回の楽曲で手応えを感じたのは、詩と音楽との融合のさせ方の多様さでした。
クラスタートーンやリズムの液状化も行うことでより、標題音楽としての表現力をあげることができたのではないかと感じました。
その一方で楽曲自体がソナタ的統一感と有機的な連関性を持ち、音楽としても成立したものにできたと思いました。

よろしければお聴きください。
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2018年04月12日

saoriful fes 2018終幕

フココレから続きsaoriful fes 2018無事終演しました。
三日前に8度2分が出るという大事故があり、その代償に声も取られましたがなんとか。

怒涛の3,4月が終わりだいぶ燃えつきです。



For DressUp, Ambient Live Electronica
posted by Lobgesang / Blog at 16:23| 神奈川 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月01日

4th フココレ「ドレスアップ」

いよいよ第4回目となるフココレの季節です。
今年はポエトリーだけではなく、劇伴でも参加いたします。
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【Date】
2018/3/17(Sat)-19(Mon)

【Place】
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』@江戸川橋
http://esorabako.com/access.html

【TimeTable】
・17(Sat): 18:00 ◆◇
・18(Sun): 12:00 ◆ / 15:00 ◇ / 19:00 ◆
・19(Mon): 12:00 ◇ / 15:00 ◆ / 19:00 ◇
◆ 芝居(上演90分)
◇ ポエトリーリーディング(上演30分)

【Price】
\2,500(一日出入り自由)
\4,000(パイ投げ付き)
\700(リピート)

【Detaile】
https://gamp.ameblo.jp/an-happygirls-collection/entry-12343203680.html

【Reserve】
https://www.quartet-online.net/ticket/dressup?m=0hdjcgj

ポエトリーリーディングは前三作「果実の子供達」からは打って変わり差異等たかひ子が描く新たな世界線。
僕も参加した「Ego:Egg」からつながる世界を6曲の楽曲で彩ります。
また芝居の劇伴は笑いあり悲惨あり北條華生改め夢乃屋毒花脚本演出による「歌って踊れる介護職員の仕事と恋のお芝居」。

どちらも超重量級の内容でございまして、相変わらずピアノ弾くのが辛いです。
よろしくお願いいたします。
posted by Lobgesang / Blog at 00:25| 神奈川 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月19日

【#本日の一枚】ベートーヴェン: 交響曲第9番ニ短調《合唱付き》op.125 / ヴィルヘルム・フルトヴェングラー

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実は昨年末ちょっとしたマイブームがあって、出勤退勤時間のおおよそ1時間の間ひたすら日替わりで異演の第九を聴くということを繰り返していました。

そう、年末といえば第九。
由来に諸説あれど日本人にこれだけ愛されている曲というのも他にはなかなかありませんが、それと同程度に同曲異演盤が多いのもこの曲を措いて他にはないでしょう。

ということでクラシックこじらせヲタなら避けて通れぬ登竜門、フルトヴェングラー第9聴き比べ大会をやってみました。

「バイロイトの第九」として名高いものが有名ですが実は他にもかなり録音が残っており、そもそもバイロイトの第九も2種類あるし、新しいマスターは見つかるわリイシューも多いわでなかなかとっつきづらいというのが正直なところ。
今回は最近大好きな歴史的録音レーベル: Archipelとorfeoからこちらの6枚を。

CDの長さが74分になったのはフルトヴェングラーの第九が一枚に収まるようにという説もあるくらい、歴史的にもこの指揮者とこの楽曲というのは影響力があったのだなと再確認。

これは音楽を聴くだけじゃない、歴史を感じるんだ(どやぁぁぁ

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◆右下: 1937年 ベルリンフィル
録音年としては僕の知る限り最古のフルトヴェングラー第九。
録音はなかなか厳しいものがありますがかなり面白い。最後の発狂具合は一瞬目を開いた。

◆左上: 1942年 ヒトラー生誕記念前夜祭
この音楽が戦時中にあることを意識させられる貴重盤。演奏としてはそんなに悪くはない。が神懸かってるというよりはオーソドックスな演奏で聴きやすい印象。相変わらず最後はヤケ笑。

◆中央上: 1951年 バイロイト音楽祭
世に言う「バイロイトの第九」はorfeoレーベルから。第1楽章がブルックナーよろしく幻霧から開始し堂々とした貫禄ある名演。神格化されるのも納得なロマンティックさである。ちなみに盤によっては御大の足音も入っておりそれで泣けるとか泣けないとか。

◆左下: 1953年 ウィーンフィル ニコライの第九
バイロイト、ルツェルンなどに並びファンの中では人気のある「ニコライの第九」。バイロイトを経ているのでフルヴェン第九の良さは安定している。個人的には第3楽章のテンポ感がなんとなく好みな印象。

◆中央: 1954年 バイロイト音楽祭 リハ付
世に言う「"もう一つ"のバイロイトの第九」。
評論家: 吉田秀和が実際に聴き最高の管弦楽体験と称した名演。録音がそこまで良くない盤だがスケルツォの貫禄と終曲の爆音の対比が逆に面白い。orfeoレーベルから出ているのはこの演奏の最高リマスタリングということでそれも聴いてみたい。

◆右上: 1954年 ルツェルン音楽祭
現存する最後のフルトヴェングラーの第九ということもあり晩年の最高峰の演奏とも称される「ルツェルンの第九」。スケルツォは一番スケルツォ的に激しい。
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2018年01月18日

【#本日の一枚】The Lower Depth / Charlemagne Palestine

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ミニマル・ミュージックといえばライヒやテリー・ライリー、ラモンテヤングとかグラスあたりが有名だが、60-70年代のミニマル黎明期を支えたもう1人の巨匠がいる。シャルルマーニュ・パレスティン。
1974年にリリースされた、残響ペダルを踏みっぱなしでピアノをかき鳴らす「Strumming Music」はミニマル音楽の名盤とも評され独特な方向でこの音楽をもり立てた。

そんな彼のピアノによるミニマル音楽の未発表音源集がこのThe Lower Depth。
前述のアルバムをリリースした同時期、その少し後である1977年の3日間に及ぶレコーディング。
ただひたすらにトレモロが残響と合わさり"膨大な"音空間を生成する。

ミニマル・ミュージックの魅力は、「少しずつ少しずつ有機的に変容していく音楽によって気づかないうちに無限に広がる音地獄に叩き落とされているところ」にあると思う。
最初は「よくまぁこんなトレモロ強打音やって腕もつなぁ」なんてくだらないことを思ってたが、音が増え和音が変わり気づかぬうちにこの瞑想状態に叩き落とされていた。
ピアノでここまでできるのかと身震いすら起こる。

ふとDIYドローンなんて言葉が浮かぶ。
ただひたすらにピアノの連打音と残響だけで構成されるというミニマルさと、出来上がった音壁の厚さ。恍惚の1時間×3を産んでいるとは俄かに信じがたい。
posted by Lobgesang / Blog at 09:12| 神奈川 ☁| レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする